【BL】好きな人

いつもおちゃらけているくせに、どうしてこういう時だけ頼りになるんだか……。

「……よしっ!」

両手で頬を思いっきりはたく。

パシンッ、と乾いた音がした。

頬も手もヒリヒリするが、いまの俺にはこのくらいが丁度いい。

良輔に言われた通り、俺は馬鹿で単純だ。

あれこれ考えれば、すぐに頭がパンクしてしまう。

もっと楽に考えればいい。

そう思うと、心が軽くなった。

俺が考えるべきはただ一つ。

……美嶺を、恋愛感情で好きかどうか、という事だ。