「……」

ひとしきり泣いた俺の目は、真っ赤になっていた。

「はい」

「サンキュ……」

美嶺が濡らしてきたハンカチを渡してくれた。

目に当てると、ひんやりしたのが胸に落ちてきた気がした。

「……もう、大丈夫、か?」

美嶺の心配そうな顔に、また胸が締め付けられた。

「……ああ」

……暫し、沈黙が訪れる。

「あの、さ。悪かったな」

「え?」

突然の俺の謝罪に、美嶺は少し驚いた顔をする。