【BL】好きな人

「奏」

俺の前に来た美嶺が、俺の腕を掴んだ。

まるで、引き止めるように。

俺が逃げてしまわないように。

……目を、背けないように。

「奏」

名前を呼ばれる。

「……」

顔は、見たくなかった。

なのに、その凛とした声に呼ばれ、見たくなかったはずの顔と、気づいたら目を合わせていた。

「み、ね……」

「奏」

美嶺の声が、鼓膜に響く。