「好きだ! 付き合ってくれ!」

「は……?」

のどかなそよ風が頬をくすぐる放課後。

地元の公立高校に通う俺、青央 奏(あおう かなで)は、体育館の裏の、人気の無い場所で、告白された。

「いや、ちょっと待て」

告白された事はいい。ていうかモテない俺からしたらスゲー嬉しいことだ。

「返事は今じゃなくてもいい。ただ気持ちを伝えたかっただけだから」

ただ……今俺がこんなに複雑な感情になっているのは、その告白してきた相手が問題なんだ。

「いや、そうじゃなくて!」

だって……

「お前! 男だろ!」