アランは白いネコの頭を撫でながら、静かに微笑んだ。
「詩月の十八番を『懐かしい土地の思い出』になるように、レッスンのたび繰り返し聞かせて……」
アランはコンクール前に会った時より、ずっとスッキリした表情に見えた。
お婆ちゃまにヴァイオリンを託され、ヴァイオリンを弾けるようにならなければ、「懐かしい土地の思い出」を弾けるようにならなければ、そんな呪縛から解放されたのかもしれない。
「リリィと私の夢は詩月が叶えてくれる、そんな気がするんだ。この指でも音楽に携わっていける、そう思えた」
お婆ちゃまの思いがやっとアランに届いたなと感じた。
「そのネコ、クレセントという名前だったんですね、わたし、ずっとMOONだと思っていました」
「こいつは詩月を追って色んな場所に出没していたようだからな」
そう言って笑ったアランの顔は今までで1番、穏やかだった。
「詩月の十八番を『懐かしい土地の思い出』になるように、レッスンのたび繰り返し聞かせて……」
アランはコンクール前に会った時より、ずっとスッキリした表情に見えた。
お婆ちゃまにヴァイオリンを託され、ヴァイオリンを弾けるようにならなければ、「懐かしい土地の思い出」を弾けるようにならなければ、そんな呪縛から解放されたのかもしれない。
「リリィと私の夢は詩月が叶えてくれる、そんな気がするんだ。この指でも音楽に携わっていける、そう思えた」
お婆ちゃまの思いがやっとアランに届いたなと感じた。
「そのネコ、クレセントという名前だったんですね、わたし、ずっとMOONだと思っていました」
「こいつは詩月を追って色んな場所に出没していたようだからな」
そう言って笑ったアランの顔は今までで1番、穏やかだった。



