階段をのぼり一番奥の部屋のドアを開けると中から声がした。
「あ!!レイ遅かったねーー!!」
「あぁ…」
その人が私を見るなり
「え!?まって!この子って…んーー!」
何か言いかけてる男の人の口をレイさんは自分の手で押さえつけた。
「んー!んー!んー!」
じゃれあいかな?
思わず笑っちゃった。
「ぷはっ!あ!!笑った!!レイ!!
この子笑ったよ!!」
「うるせぇ。ミユこっちこい。」
「へー!!ミユちゃんって言うんだね!!」
よくしゃべる人だなぁ
レイさんは救急箱をだして手招きする。
「ほら、腕かせ。やっぱりアザになってんな。
痛いだろ…?とりあえず湿布はっとくからな。」
と言って優しく湿布をはってくれた。
「ありがとう」
そう言うとレイさんは私に微笑んだ。
「え!?レイが笑ってるよ!?」
「何だとっっ!?」
ソファから誰かが勢いよく起き上がった。
え…。人いたんだ。
全然気づかなかった。
ん?でも、さっきもレイさん笑ってたのに
「そんな不思議なことですか…?」
「「だってレイの笑ったとことか見たことねぇし。」」
「さっきも笑ってましたよ…?」
「「マジでーーーーーーー!?」」
「うるせぇ。」
「ほら、いつもこのぶっきらぼうな顔。」
「元々こういう顔だ。」
あ…だからさっきの運転手さんビックリしてたんだ。

