「あれ本居?まだ居たのか?」 担任の塚原だ。 塚原将志、24歳だという噂だ。 「あ・・・今帰るとこです。貰ったプリントどっか行っちゃって、探してたら少し遅くなっちゃいました。結局、別の教科書に挟まってたんですけどね。」 笑って髪をかきあげると、 「この手・・は?」 塚原は腕を掴んで腫れていた指を見た。 「な・・何でもないです。じゃあ・・・」 帰ろうとする夏音の手を引き、学校を出た。 塚原は先生というよりは友達、もしくはお兄ちゃんに近い。