空泥棒

私は何も言わずに要に近づく。
数センチ離れたところに座ろうとすると、腕を引っ張られて、無理やり隣に座らされた。

「頼みがあるんだけど。」

なんか嫌な予感がした。面倒臭いことになりそうな。

ざあっと強い風が吹いた。

長い間切ってない髪が目にかかる。

髪に隠れた隙間からみえる彼の顔は
どこか清々しい笑顔だった。

「それで、俺を撮ってくれない?」