雪の音は静かに降り注ぐ桜とともに


松井との約束の日曜日。

13時に隣街の駅前にある噴水前集合。俺は、時間よりも少し早めについた。

隣街はモールやら商店街やらがとても充実しており、休日は人が集まることが多い。欲しいモノがあれば大抵ここでそろうといっても過言ではないくらいには、充実した街になっている。

逆に俺らの街は住宅街をメインとしておりスーパーならあるが、娯楽のものはあまりない。

だから、学生も多くの場合はここに来ることが多い。俺も、この街には行きつけの古本屋があったりとして小さい頃から通っていたりとする。

暇になるとよく来る。澤田は部活動で結構忙しいやつだったから、休みの日もあまり会うことはなかったというのが理由だ。

本を読むことが好きだったからあまり苦痛には思ったりしなかったし、そこまでして友達と遊ぶという感覚もなかったから俺としては結構充実していた。

挙句の果てに、本以外での出費があまりなかったし、古本で買うから定価より安いということで、お金も貯まるもので。

お陰で今回のプレゼント選びでお金に困ったことはないが、そこにプラスで母親が俺にお小遣いをくれているから下手なものを選べないとため息をつくしかない。