雪の音は静かに降り注ぐ桜とともに


「そういえば、23日、桜の誕生会するみたいだけどお母さんたち行くの?」

「雪にもそれ届いたのか?」

「お父さんにも?」

「私にも届いたわ。」

嬉しそうに2人が花咲く。そりゃ、あちらの子供をわが子のように可愛がっている二人からしたら、ずっと会うことを拒んでいた桜の誕生会だもんな。

2人の様子から既に行くことを決めているんだな、と確信する。

「プレゼントって何用意すればいいかな。」

何気なしにそう話題を振れば、相変わらず母は嬉しそうに目を輝かせた。

この人たちにこういう話持ってくるものじゃないなと、後悔を軽くしても仕方がない。聞いたものだから、答えも返ってくるだろう。

晩ご飯の焼き鯖をつつきながら、親の反応を待つ事にする。

「きっと桜ちゃんのことだから何をもらっても喜ぶと思うわ。」

「お母さんの意見に賛成だな。」

答えが答えになっていないとツッコミたい。何をもらってもが一番困るものだ。眉をしかめながらほぐした鯖の身を口に運んでるのを見て、弁解するように母が続けていう。

「女性に贈り物をするとき、ハズレがないのはバスセットだけれど、桜ちゃんはもっとほかのがいいと思うのよ。私よりも、雪の方が桜ちゃんと一緒にいること多いじゃない?そういうの見て決めたらどうかしら。」

最初からそれを欲しいと思いながらも、結局は何も解決していないことに小さくため息をついた。