雪の音は静かに降り注ぐ桜とともに



そして、ふとした時に思ったのが、再会したときの最初の気まずさと気恥ずかしさというのが今になってなくなっていることに気がついた。

そして、今となっては保護力がどこか湧き上がっているということにも気が付く。

俺ってこんなにも、相手は従姉妹だがシスコンだったっけと思ってしまうことに対して自分がどこか残念な人間に思えて仕方ない。

いや、確かにあの小ささにおどおどした雰囲気などは小動物に近くて可愛いなとは思ったが、俺は決してシスコンではないと言いたい。

少しだけ自分の心がわからなくなっては小さくため息をついた。

「どうしたの。」

すると、隣にいた張本人が小さな声で訪ねてくる。

今はクラスでHRをしていた。クラスの名簿順に席に座れば、柳瀬二人は見事にお隣どおしになった。

そして、入学式を終えて親たちは、教室の後ろで俺らを見守っている。まるで授業参観の気分だ。高校でもするのだろうかと思いながら、桜を見る。

今はもう、どこか冴えない桜ちゃんになっていはいるが、きっと今年の1年生全員は桜の眼鏡を外した姿の方が印象的に残るのだろうなと思いながら、再びため息を吐く。

とりあえずは、自分のこの呆れた具合の保護欲を抑えなくてはならない。