雪の音は静かに降り注ぐ桜とともに


すでに体育館の前には新入生の列で出来上がっていた。きっと名前順だろう。俺は、担任かは分からないが仕切っている先生にクラスと名前を告げる。

すると、すんなりとここだと示してもらい俺は入れてもらった。

程なくして桜も合流すれば、女子の列に入っていく。そして、先ほど職員室で出迎えてくれた先生が先頭に立つ。

それと同時に他の先生方も持ち場だと言わんばかりの顔でクラスの前に立った。きっとこの人たちがクラスの担任の先生なのだろう。

担任の先生たちが各クラスについたとき、あんなにざわざわしていた空気がぴしりと引き締まった。これから入学式が始まるのだというのがいやでも理解できるくらいの静けさだ。

新入生入場の声で吹奏楽の音楽が鳴り出す。最近はやりのポップスを使用しているのはきっとイメージ的にもいいためだろう。吹奏楽曲を使用するのは定期演奏会やコンクールでののみに近い。

あと、生徒たちに親しみがとてもあるからだ。きっと理由としてはこっちが大きいだろう。

クラスごとに体育館に入り、先生の合図でクラス単位で座っていく。

最後のクラスまでも入り座りきれば音楽がなり止む。この流れが全て先ほど軽くレクチャーしてもらった程度の話だというのだから驚きである。

日本人はこういうところはしっかりとしているよな、と小さく心でつぶやいて、教頭であろう人の入学式の開会を始めるという号令で俺らの入学式は始まった。