しかし、俺の考えが甘かった。
クライフの町は貴族の集まりのようなもので、
俺の力をもってすれば治めることなど容易いことだ。
しかし、隣町のルイナーに問題があった。
ルイナーの町は、クライフの半分ほどの大きさで
平民が集まった町だ。
ルイナーの町の人々は、
平民の中でのランク付けをしていた。
少しでも優位に立とうと必死で、
なにより、ルイナーの町を治めている人が最悪だ。
町人から金銭を取り立てている。
それで食べ物に苦しむ人が、裕福なクライフから
食べ物を奪っていくのだ。
俺は食べ物に困っている人を見殺しにはできない。
かといって、このまま見過ごすこともできない。
どうしたものかと頭を悩ませながら
コーヒーをすする。