ーーーーーーーー時は過ぎて



「アルベール!またルイナーの住民が

市場の食べ物を盗んだと報告があったぞ!

今月で何度だ!すぐ対処するように!」




エリックは耳が痛くなるほど大きな声で

怒鳴り部屋を出ていった。


はぁ…。 と俺はため息をつき、

椅子の背もたれにもたれかかる。





ここは大きな権力を持つ町、クライフ。


二年前、この町を治める身となった。

町のトップとなればもっと自由に生きられると思い、

勉強に勉強を重ね、二十一歳という若さで

トップまでのぼりつめた。