彼に、ここに記された気持ちが伝わりますように。そう願いを込めておきます。ちゃんと、伝わればいいな。


 この本は、この本を手に取ってくださる皆様と、彼へのメッセージのようなものです。

 皆様に何かを感じていただけて、彼にこの気持ちが届いたのならば、この本を書いたという行動は大きな意味を持つ事になると思います。

 私のこの選択も、誰かを動かすような、大きく重要なものになっていれば良いなと心から願っております。


 最後に、表紙の絵についてです。

 本作品の表紙にさせていただいている、向日葵の絵。それは、私が高校時代に描いたものです。

 一面に広がる向日葵と、厚い雲に覆われた太陽のようなもの。どこに太陽があるのか、いや、太陽はそもそも存在しているのか。見つめる先を探しているこの向日葵の絵は、私が高校時代に応募した地元のコンクールで特別賞をいただいた作品です。

 タイトルは「もう二度と昇らない太陽を探す向日葵」。

 これは、高校時代ですから、彼の病を知る前に描いた絵です。しかし、この本の表紙を決める時、これしかないと思いました。そのくらい、この絵は私と彼にぴったりだと思います。

 なんだか、昔の私が未来を知っていたかのようですよね。自分で描いておきながら、今でもとても不思議な絵です。

 全てを読み終えた後に表紙を見ると、また違うように捉えられるかもしれません。


 私は、もう二度と昇らない太陽を探し続け、ずっと、ずっと、その太陽を愛し続けようと思います。


 愛しき私の太陽が、また昇り、輝いてくれることを信じて───。





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