───翌日。

 普段起きている時間よりも3時間も早い6時に目を覚ました私は、起きて早々あの本に目を通していた。

 ひょっとすると、この本は私の未来を記しているのかもしれない。

 そういった私の予感や予測は、既に確信へと変わっていた。

 本の内容は、彼との馴れ初めから、彼と付き合い始めた淡い恋物語のような内容になっていた。少しだけ先の未来の私と彼。二人の思い出のようなものが、とても大事に、丁寧に、綴られている。

 10月に私から告白をして付き合い始め、11月には彼と一緒に寒空の下を浜辺の波打ち際に並び、くだらない話をして、12月には彼と一緒にクリスマスを過ごし、初めて手を繋いだ。そして、1月には彼と初詣をして、〝彼とずっと一緒にいられますように〟と神様に願った。

 そう、本には記されていた。

 作中に表現されている街並みの描写、そして、学校の規則。制服。お母さんの口癖。やっぱり、私に関わるもの全てと内容が一致していて、唯一、一致しないものといえば、作中に記されているこれから先起こるであろう出来事くらいしかなかった。

 しかし、その出来事だって、少しだけ先の未来で起こるはずだ。その出来事が起こった時、初めてこの本の内容と私の生きる道が完全に一致するんだと思う。