マーケット戦争

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22:00



この場は荒れ果てていた。



達也さんはかれこれ2時間ずっと腹踊りしている。

誰も見ていない、だが必死に踊っている。

彼の頬には涙の跡が光っていた。

腹踊りが彼にとってなにか意味のあるものなのは分かったので、そろそろやめていただきたい。



ビーグル達はさっきからコンサートを開いている。

しかし各々違う歌を熱唱しているので爆音でしかない。



玲さんは病み始めてしまった。今日はどうやら誰にも読まれない広告になりたいらしい。



海斗さんは私の腕に巻きついて寝ている。

お持ち帰りしたい。半分冗談で半分本気だ。



祐也さんはとぅとぅとぅとぅうるさいし、幸希さんは座布団を綺麗に並べて本格的に寝てしまった。



唯一涼さんがテーブルを拭いていて、完全に酔ってはなさそうだ。

そろそろ時間も時間で、本格的に収集をつけなくてはならない。



涼さんとはこの前からまだちゃんと話せていないので、これもいい機会だと思い勇気を振り絞った。



「涼さんっ!この前はあんな言い方してすみませんでした・・・で、でも!やっぱり洗濯物を見に行く事は出来ません!」



言った!言ってやった!



涼「ふふふ・・・菓さん、この布巾には雑菌が約180個・・・それでこの雑菌だらけのテーブルを拭いたらもう・・・雑菌しかいないね・・・?」



もう帰りたい。