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20:45



涼さんから預かった、“傷んだ”唐揚げをこっそり持ってレジに戻ってきた。



トオルごめんね、全然レジやってあげれなくて・・・と謝りながら鍵をさしたが、あと15分で私のシフトは終わる。はずだ。



「いらっしゃいませ」


客「ギャハハ!まじパネェ!お!ウィーっすおねぇさん?」



おっと最悪だ。

ガラの悪いお兄さんたちが来てしまった。

が、ただのガラの悪い人達なんて怖くはない。

もっと面倒ごとを相手にしてきたのだから。



「ビールが5点、貝ひもが3点、チーたら2点・・・」



あれ?私この人達と呑む約束してたっけ?と勘違いしそうなラインナップだ。

いい趣味をしてる。



客「トオル!お前おせぇよ!早くカゴにいれろ!会計終わっちゃうだろ!」


「!!」



トオル・・・トオルと確かに言った・・・なんだかレジのトオルが擬人化して私の前に現れるのではないかと変にドキドキしてしまった。



トオル「スミマセーン。コレモオネガイシマース。」


私はゆっくりと視線をあげた。