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〜惣菜コーナー〜



「涼さんすみません。遅くなりました。」


涼「あ、菓さん。大丈夫です。」



彼は惣菜の責任者涼さん。23歳らしい。

と、いうのも彼の情報はなかなか耳に入ってこない。

あまり自分のことについて話さないようだ。



涼「じゃあ、いつも通りお願いします。」


「はい。」



いつも20時になると惣菜は売り切り商品なので、値下げシールを貼っていく。

惣菜は常に人手が足りず、私もお手伝いするようになった。



しばらく無言で値下げシールを貼っていると、涼さんがなにやらちょいちょいと手招きをしている。



涼「菓さん!」


しかも笑顔で名前を呼ぶというオプション付きだ。餌をチラつかせられた鳩のように近づく。


「どうしましたか?」


涼「これ、もうだいぶ傷んでるので太郎にでもあげてください!」



それはそれは素敵なハートのお口から出てきた言葉は残酷なものだった。