俺が彼女に会えない理由

「気を悪くしないでほしいんだけど」

帰宅したあと、そう前置きし、やっぱりもう一度尋ねてみることにした。
いずれにしろ、遅かれ早かれ言うことなのだから。

「しあさって、風花の家に線香を供えに行くんだ。風花の両親には、もう連絡してある」

驚いた表情で風花が俺を見上げている。

「なんで?」

「なんでって。毎年、風花の命日にはそうしてるから」

「え?そうなの?・・・知らなかった。冬弥くんて、ほんと優しいんだね」

「当たり前のことだろ。今年は、仕事の都合で命日に行けなくて。十三回忌だったのに。ごめんな」

「いいよ、全然」

「一緒に、両親のとこに行くか?両親に風花の姿は見えなくても、風花は見えるんだろ?」