俺が彼女に会えない理由

たった一日にして、平穏な生活が破壊され、粉々に砕け散ったあの悲劇。

残酷なほどよく覚えている。

自分が自転車で転倒して死んでしまう悪夢から目を覚まし、半ば放心状態のままベッドの中で横たわっていた。

そうっとふすまが開けられ、廊下の灯りが細く差し込み、「具合どう?水、飲む?」と顔をのぞかせた母がささやいた。

母が持って来てくれた水を飲み干すと、少し落ち着いて、頭痛をこらえながら再び眠りに戻った。

そうして、目覚めた月曜の朝。

枕元のケータイに手を伸ばそうとしただけで、頭痛がした。

こめかみに手を当てて、今日は学校を休むしかなさそうだと思っていると、顔をこわばらせた母が部屋に入ってきた。
その顔を見て、ただならぬことが起きたと察しがついた。

尋常ではない緊迫感が胸を刺した。