俺が彼女に会えない理由

「不思議だな。こんなふうに風花としゃべれるなんて。信じられない」

「だよね。夢みたい。ユーレイと生きてる人が、会ったり話したりできるなんて。触れることもできるし」

そう言うと、風花は手の平を上にして右手を差し出してきた。
差し出された右手を、さっき抱きしめたときと同じようにそうっと握りしめる。
再び、冷たくて細くて華奢な感触を感じる。
雪の結晶のようだ。

このまま触れていたら溶けてしまいそうな気がして、すぐに手を離し、「両親にはもう会ったのか?」と聞いた。

その途端、風花が視線を泳がせる。

「会ったよ」と返事が返ってくるかと思いきや、風花は黙ったままだ。

少しのまがあってから、風花は耳にかけた髪を耳から外したが、その仕草が顔を隠しているようにも見えた。