俺が彼女に会えない理由

悲しみから立ち直れないでいることを自覚しながら生き続けたこの12年間は、苦しくて辛くて孤独だった。

俺は、風花の手をそうっと握り、「ありがとう」と言った。

「うん?」とつぶらな瞳を向けてくる。

「そんなに長い間待ってくれたお礼と、会いに来てくれたお礼。俺がどんなに喜んでるか、わかるか?」

そう言った途端、風花が両手で両目を隠し、「やだ、いきなり優しいこと言わないでよ」と涙声で言った。

「12年もよく待ってくれたよ」と俺が思ったことを伝えると、「お願い。それ以上、優しいこと言わないで」と怒ったが、風花らしくて可愛かった。