俺が彼女に会えない理由

近所の公園に着くと、やぐらを中心に張り巡らされた灯りが夏の風情を彩っている。

すでに盆踊りが始まっていて、浴衣を来た大人や子供たちが輪になっていて、瞳には灯りが映ってきらきらしている。

「わあ、なつかしい!お祭りなんて、何年ぶりだろ!」

風花がはしゃぎだした。

そのはしゃぎっぷりは、こちらがどうにかなってしまいそうなくらいに可愛い。

「昔、一緒に行ったよね。口の中が甘ったるくなって、全部食べ切れないのに、なぜか綿あめを買わずにはいられなくて」

「それで、俺が風花の食べ残しを食ってやってたんだよな」

「だったねー。履きなれない下駄を履いて、豆ができてつぶれて、痛くてたまらなくなって、冬弥くんに靴を取りに行ってもらったよね」

「そうそう。風花の家に靴を取りに行っただけなのに、風花のお父さんとお母さんが心配して、二人ともくっついて来たっけ。なつかしいな」

今まで笑っていた目にふっと寂しさが浮かぶ。