俺が彼女に会えない理由

「おい!ちょっと待てよ!」

風花を追いかけながら、振り返り、玄関にいる二人に向かって、「あがってください!」と告げた。

「風花、もう二度とないチャンスだ。みんなで、話そう。何もかも。前にも言ったけど、どんな話しでも受け止めるから」

窓際に立ちすくむ風花の顔に苦悩が読み取れた。

「何をそんなに悩むんだよ?もう一人で悩むなって。風花がほんとに大切なことを言わないなら、俺は何のために存在するんだよ?!適当な話しとか、大切じゃない話しとか、俺はそんなことしか聞かせられない存在なのか?」

怒りに悲しみが混ざっていくのを感じた。
風花に苦しい胸の内を話して力になりたいのに、どうしてなかなか叶わないのだろう。昔も今も。

「冬弥くん、風花は、今、どこにいるの?」里花さんが部屋のあちらこちらに向かってせわしくなく視線を泳がせている。

「ここにいます」俺は自分のすぐ目の前、窓際の風花を指さした。

「風花、交換条件です」俺の指先に向かって、力いっぱい里花さんが思いを込めたように切り出した。