「お待たせ、ともみも一緒に行くって。ともみ、おいで!」

私の後ろからひょこっと顔を出した。

「田中、ごめん。」

何故か裕樹が謝った。

「ううん、大丈夫。知ってたから…。」

もしかして…私の話?

「えりな、別に俺どうなりたいとかないから。気にするな。いいな?」

「うん、分かった…。」

これでいいんだよね。

私はともみをみた。

ともみは笑っていた。

私にはその笑顔の意味がわからなかった。

「じゃ、理科室いくぞ。遅刻しちゃう。」

涼太の一言でみんなが一斉に歩き出した。

私は涼太の背中に小さい声でありがとうと言った。

授業が始まり皆が実験の準備をしていた。

四人グループでもちろん裕樹と涼太と私とともみだ。

「…な、えりな!試験管取って。」

「え、あ、ごめんごめん。はい、裕樹。」

やっぱり裕樹と私はぎこちなかった。

その時…

パリンっ!試験管が落ちてしまった。

「ごめん裕樹!怪我はない?」

「あぁ大丈夫。それより…」

「痛っ!」

試験管の破片で指を切った…めっちゃ痛い…。

「えり…「杉田!大丈夫か?試験管は先生が片付けるから保健室行ってきなさい。」」

先生すごい起こってる…。

「はい、行ってきます。」

「俺もつきそう!」

裕樹…今は行きたくない。

「杉田ひとりで行きなさい。」

先生ありがとう。今だけは助かった。

「行ってきます。」