転校生してきた川村桜は僕達のクラスに転入した。
すると彼女を見た海人が珍しく何か考え込んでいた。
「海人、どうしたんだよ?そんな考え込んで。」
「実はさぁ、あいつどこかで会ったような気がしてさぁ?お前も多分会ったことあると思うぜ?」
「気のせいじゃないか?」
「そうかなぁー?」
僕も少し記憶をたどってみたがあんな子僕の記憶の中にはなかった。
(まぁ~僕は昔のことはあまり覚えてないんだよな~)
僕は、昔から物忘れが激しくて小学生の時よく先生に怒られた。中学生になってからは忘れることは少なくなったが。
放課後。
「海人、一緒に帰ろう」
「わりぃ、今日用事があるんだ。先に帰ってくれ」
「わかった」
そう言ったあと僕は一人で学校を出た、学校から少し歩いてたら後ろから誰か声をかけられた。
「雄太さーん!」
後ろを向くとそこには、今日転校生してきた川村桜さんだった。
「桜さん、どうしたんですか?」
「今日、一緒に帰りませんか?」
「え?」
僕は少し驚いた、女の子から「一緒に帰りませんか?」って初めて言われたからだ。
「い、いいよ」
「ホントですか!、ありがとうございます!」
とても嬉しそうにお辞儀した。
一緒に帰る時僕はドキドキしていた。
(な、なんで別に付き合う中じゃないのにこんなにドキドキするんだ?!も、もしかして僕この子の事が好きなのか?!)
でも、今までの好きな女の子のドキドキとは違った。
(あれ?このドキドキ昔も味わったよな…?)
(きっと、気のせいだろうな)
僕はそれでおさめたでも、この子が好きなのは変わりない。
「雄太さん、どうしたんですか?」
不思議そうに訪ねてきた。
「う、うんうん、なんでもない」
「そうですか?顔が赤いので熱でもあるかと思いました」
「だ、大丈夫だよ!」
(ついこの子の事を考えてしまったら顔が赤くなってしまった…)
そんな事を言い合ってると。
「私、右にまがったら家なんですけど」
「僕は左にまがった先に家があるからここでお別れだね」
「わかりました、それではまた明日さよなら」
「さよなら」
そう言ったあと桜さんと別れた
僕は家に帰ったあとでもドキドキが収まってなかった。
(どっどうしよう?僕もう恋愛はしないって決めてたのに)
「はぁ~」
少しため息をついた。
(こうなったら、最後のチャンスだと思ってあの子こと付き合えるように頑張ろう!)
こうして僕のラストチャンスが始まった。