「はいこれ。入部届け」
静音が柚季に入部届けを手渡すと、柚季は嬉しそうに笑った。
「ありがとなっ」
そう素直な笑顔で言われると、
思わずキュンとしてしまう。
顔良いし、性格いいし、背高いし運動できるし、勉強は、まあまあ。
モテる要素は大いにあるわけで。
だから真由美も好きになったんだな、と
静音は1人で納得する。
「じゃあ私は部長に楽譜渡さなきゃなんないから。
合唱頑張ってね」
そう言って静音は柚季から離れた。
真由美を差し置いて柚季と2人で話すなんて、なんだか申し訳ない気がしたのだ。
それに、あの笑顔を見てるとなんだか心が擽られて危ないような気がしたから。