次はもうしないって言ってたのに。


何でなの...?


気付けば裕翔に抱きしめられていた。


『離してっ...!』


「ごめん、姫那。もうしないから。これで終わる。」


あぁ、今回で何度目だろ。


「姫那が一番。愛してるから。」


そう言ってあたしに軽くキスをした。


こうやって甘い言葉を言って離れさせないようにする罠のせいであたしはつい許してしまう。


『やめて、もう。』


どうせ、その言葉も嘘なんでしょ?


「裕翔ー?」


郁美って呼ばれてた女の子がふてくされたように言った。


「あ。姫那、今日も多分帰れない。また後でな。」


そう言い残して裕翔はまた行ってしまった。


『うっ、ぁ...。うぅ...』


我慢してた涙が溢れ出してきた。


次の授業出れないや。


校舎のベンチに腰を掛けた。


裕翔、あたしのこと、飽きちゃった?


あたしじゃ、物足りない?


裕翔には言いたいことがたくさんある。