「ねぇ君さ」 テーブルを拭いてからその客の前に行く。 「3万の子だよね?」 あぁ、たまにいるんだよねこういう下品な客。 ただ、軽く微笑み イエスともノーとも言わない。 「これからどう?」 カウンターに置いていた手の上に 男は自分の手を重ねてくる。 「おい、帰れ。周りに迷惑だ」 自分でどうにかしなくても こうやって涼が来る。 涼に睨まれたら誰だって みんなそそくさと帰る。 ただ、周りの客の視線がわたしに集まるだけ。