「ナナちゃん久々だね」 店の手伝いと言っても お酒を作るのはおじさんか涼。 わたしは帰った後の片付けとか カウンターに座る おひとり様の話し相手になるだけ。 「じゃあ、ごちろうさま。 あんまり夜遊びしたらいけないよ」 高そうなスーツを着て高そうな時計をして 大人で上品なお客さんばかり。 常連さんは特に。 香水の匂いだけを残し帰っていった後の グラスを下げる。 その行動をずっと見つめてくる 見覚えのない顔。 新規か。