もう嫌だよ、
全部この雨が流してくれないかな。


もうあなたとの関係も終わりか。


視線を上げれば彼と目が合う。

何度もそれを繰り返したが上げる度に
彼と目が合うから逸らしてしまう
わたしと違って彼はずっとわたしを
見ているんだと知る。


「悪かった」


それだけを言うと彼はわたしの前に傘を置き
スーツをびしょ濡れにしながら去って行った。


その後ろを女は慌てて走って追った。


ずるいよ……謝るなんて…1番ずるいよ。