「桜井のこと俺は嫌いだったんだよね。 あんな奴と似てるとか言われて屈辱だったし なのに、なんであいつはよくて俺はダメ? 最後の最後まできみは俺のこと 毛嫌いしたよね」 人差し指が離れたかと思ったら 手のひらが頬に触れてきて寒気がした。 「手を差し伸べたのに、振り払ったよね 俺になにがおもしろいのかって聞いたよね? 俺が作ったシナリオ通り事が進んで フィナーレを迎えると思ったら 気持ちが高ぶって仕方なかったんだ。 でも…きみは壊したけどね」 …シナリオ? 事が進んだ……?