「おい」 振り返ったときには目の前に彼がいて 体を持ち上げられベッドに降ろされる。 「名前は」 上にいる彼は少し目を細めて わたしの目を見る。 「ナナ」 答えて3秒ほど経ってからだった 「ナナ」 と呼ばれたその声にドクンと心臓が鳴った。 目を見ているだけなのに吸い込まれるように 唇が重なった。 彼の唇は柔らかかった。