「……」
すごい……自分の気持ちをあんなにストレートに言えるなんて……。
自分に自信がなければ、言えないよね……。
センパイは有名で、人気があって……。
センパイを好きな人は、たくさん居て……。
指輪のこと、猫のこと……。
センパイとの秘密がちょっとあるから、特別かのように私はうぬぼれてたのかもしれない……。
なんの魅力もない私……。
自分に自信なんてもてない……。
あの子のように「私も好きなの」あんなふうに言えることが、うらやましい……。
私は机に顔を伏せた。
見ると机の下に、1枚のメモが落ちていた。
学園祭のことが書いては消し、書いては消し、ぐしゃぐしゃに黒くつぶされていた。
センパイが書いたんだ……。
受験、生徒会、学園祭、そして別れた彼女の存在……。
センパイは考えることがいっぱいなのに、私は毎日毎日ここへ通って……。
「……私、センパイの邪魔ばかりしてた……」
自分とセンパイの立場の違いを思うと、何もない自分に胸が痛くなった________……。
