この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。




強くなった雨に打たれ、レインコートから雫が落ちる。




遠くの猫を見つめ、微笑んだおばさんの顔が、とても綺麗に見えた。








「あの兄弟の母猫も、仔猫の授乳が終わったら手術しないとね」






「今すぐは出来ないの?」






「子供には母親が必要でしょ?
仔猫も同じ。
産後8週までは必ず母猫に育ててもらいたい。
母猫と離されて、生きられない仔猫もたくさんいるから……。

あ、そうそう、仔猫たちまた学校に入ったら外に出してあげてね。
見つかったら大変だから」







「はい」





そう言うと、おばさんは帰って行った。





他の所の猫たちを見に行くのかな……。









"見つかったら大変だから"



ここにも猫たちの敵がいるってことか……。
私は学校を見上げ、ため息をついた。