この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。



「でも、悪いことばかりじゃないのよ。
こういう猫たちを見守る、地域猫活動というのも進んでいて、私たちみたいに猫にゴハンをあげたりする人が増えてるの。
もちろん、置きエサはしないとか、汚れたら片付けるってルールも色々あるけどね」



おばさんは話しながら、嬉しそうに笑った。







「あそこにいる猫、見える?耳のカット」




そう言っておばさんが指さす方向。
駐車場の車の下で、雨宿りしている茶色の猫。








「あ、はい、V字に耳がカットされてる」








「避妊、去勢手術をした猫たちの耳にカットを入れるの。
桜の花びらみたいでしょ。
サクラ猫って呼んでるの」








「サクラ猫……」