「雨が強くなって、猫たちが心配で見に来たの。
これから梅雨になると、エサやりも大変になるわ……」
「おばさん一人でやってるんですか?」
「他にもボランティアさんはいるんだけど、この梅雨の季節は仔猫が増える時季なの。
とてもじゃないけど、全てを見るのは難しいわね……」
「そうなんだ……」
「外の世界で生き残れるのは、ごくわずか……」
「……」
「病気になったり、ごはん食べれなかったり、カラスに狙われたり、親猫が育児放棄……なんてのもあるわね。
梅雨の時季だと視界も悪くなって、車にはねられたりすることも多くなる」
「そんな……」
雨の中立ち話をする。
おばさんの足元に、大きな猫が2匹寄ってきた。
雨でびしょ濡れになって……。
「はいはい、ごはんかなー」
おばさんがそう言うと、猫は大きく「ニャー」と鳴いた。
