私が学校を出る頃には、雨は本格的に降り出していた。
もう既に校庭には、いくつもの小さな水たまりが出来ている。
いよいよ梅雨入りかなー。
傘持ってきてよかった。
あの天気予報士なかなか当たるなー。
校門を出ると、レインコートを着たさっきの猫おばさんがいた。
また、あの仔猫たち学校に入っちゃったのかな……。
私は慌てて声をかけた。
「おばさん!どうしたんですか?」
「あら、さっきの」
私はおばさんに近づく。
「仔猫たち、また学校に入っちゃったんですか?」
「いえいえ違うのよー。
あの仔たちはあそこの木陰で母猫と雨宿りしてるわ」
「そうなんだ……よかった」
見ると、おばさんの目の届く距離に3匹の猫たちはいた。
