「あのなー!
誰にでもわかる方がいいんだよ!
このおばさんが、こいつらにゴハンあげてるんだ。
他にもあげてる人が居るから、みんながわからなきゃしょうがないだろ?」
「あ……そうなんだ……」
チラッとおばさんを見ると、緑の陰からペコリと頭を下げた。
私もつられて頭を下げる。
「学校に入って来たのを一度、大森先生に見つかって大変だったんだ。
だから見つからないように、学校の外に出してやってるんだよ。
学校の敷地内に知らない人が入っただけで大騒ぎだから、おばさんも大変でさ」
「この仔たちがなんだか学校を気に入っちゃって、気付いたら入ってるのよ。
本当に困っちゃって……」
猫おばさんは、そう言った。
「ほら、気を付けてお母さんのところ戻れよ」
センパイは私から2匹を受け取ると、緑の間から2匹の兄弟猫を外へ出した。
