放課後。
私はそっと図書室を覗いた。
いつもなら、なんの躊躇もなく入っていた図書室なのに、センパイに会いたいから来ていると思うと、なぜか足がすくんだ。
いつものセンパイの席。
参考書やノートが広げられている。
だがそこにセンパイの姿は無い。
「……」
トイレにでも行ったのかな?
私は近くの椅子に座りかけた……
すると、
2本の大イチョウの下に、センパイの姿を見つけた。
「センパイ!?」
大イチョウの後ろ、そこは低めの塀がたっている。
学校の敷地には緑が植えられ、その緑が市道からの目隠しになっていた。
ここからではよく見えない……。
センパイは、その緑の向こう側に居る誰かと話しているようだった。
