まさか、センパイとこんなに話せるようになるなんて思わなかった。
この図書室でセンパイが受験勉強してることも、隣が生徒会室だってことも全然知らなくて……。
入学式の日、私はここで寝てしまっていた……。
その後も何も知らないまま、私はここへ通っていた。
図書室なんて私には無縁だし、この建物に職員室や生徒会室があることを知っていたら、私だって近付かなかったと思う。
でも……ここへ迷い込んだから、センパイと再会できた。
大イチョウが見たいとか、大森先生が教室に居るから……とか、本当は口実。
私はいつの間にか、センパイと話しがしたい……そう思う気持ちが強くなっていたんだ。
