もーなんで寝ちゃったんだろう……。
いつもの図書室。
机に広げた本を、急いで手に取った。
「まったく相変わらずねー。
柏木さん、ちょっとこん詰め過ぎじゃない?」
大森先生はそう言いながら、片づけたノートを私に手渡した。
「あ……ありがとうございます。
もっと頭が良ければ、自分にもっと力があれば……。
私にはまだまだ知識が無さすぎるから……、これくらいしないと私は駄目なんです」
医学はどんどん進歩している。
いつか、この認知症という病気を治せる時がくるかもしれない。
でも今はまだ、家族や私のような思いをする人たちのケアも必要で……。
そんな人たちを助けたい________。
センパイが望んだ夢と違うけど……。
センパイの動物たちへ向けた優しさを、私は忘れずにいたい。