この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。





「ヒサ……おじいちゃんがアルツハイマーで、ママがどれほど大変だったか覚えてないか?」




「……」





言葉の出ない私を見て、パパが話し出す。









「ママだけじゃない、おばあちゃんもママのお兄さんも、家族みんなが大変だった。
アルツハイマー病というのは、一人じゃどうすることも出来ない病気なんだよ」









「わかってる!
たくさん、たくさん調べたもん!
どんな病気か全部調べて、それでセンパイに会いに行ったんだもん!」









「ヒサ!
たかが風邪なんてものの看病と違うんだ!
いつかは自分のことさえ思い出せなくなってしまう病気なんだよ!?」










「わかってる!
それでも、私がセンパイを支えたいって思ったんだもん!」