あれからずっと、気付くと涙が止まらなくなって……。
「ごめんね……」
私はなぜか、奈々ちゃんに謝り続けた。
『ううん、また連絡するから』
「うん……ありがと……」
センパイと彼女のこと……。
大切な指輪のこと……。
思い出すだけで、胸が苦しくなる。
涙は溢れて_____……。
こめかみに流れる涙を、タローがペロッと舐めた。
「……タロー」
「ニャー」
お兄ちゃんの後を追いかけ、真似をするように、ヒゲジローもペロッと頬を舐める。
「……ヒゲジロー」
「ミャー」
タローもヒゲジローも、私の側にピタッとくっついたまま離れない。
「……なぐさめて……くれるの?」
私は2匹をギュッと抱きしめた。
「ありがとー……」
