「柏木さん! なんなのこれは!?」 突然の大声に驚き振り向くと、そこに大森先生が立っていた。 図書室の机の上に、うっかり置いてしまっていた指輪を、大森先生が手にしていた。 「あっ……それは……」 私は急いで取り戻そうと、手を伸ばした。 「こんなもの! こんなもの、学校に持ってきていいわけないでしょ!」 大森先生はそう言うと、私の手を払った。