電話を切ると、21時を回っていた。
ベッドの上のタローとヒゲジローも、いつの間にかすやすやと寝息をたてて眠っている。
「……」
大成功だった学園祭。
準備も順調に進んでいた。
でも、学校側、保護者側と、間を取り持っていたのは全て、優也センパイだと聞いた。
疲れもストレスも大きかったはず……。
学園祭が終わればすぐ、受験勉強に集中しなければいけない……。
私は携帯を手に取った。
そしてまた置く。
何度もそれを繰り返した。
センパイに連絡したい……。
声が聞きたい……。
センパイ、大丈夫かな……。
何度も、何度も、そう思い続けた。
