「え!?帰った!?」
奈々ちゃんの、あまりにびっくりした声に私も驚いた。
「うん、どうしたの?」
「だって、学園祭の反省会をするからって、みんな生徒会長に集められたんだよ!?
もうみんな生徒会室に居るのに……」
「そうなの?
センパイ、今日はもう帰るかって……」
私は図書室の窓を開け、身を乗り出した。
「センパイ!」
センパイに向かって叫ぶ。
「優也センパイ!」
センパイが気づき、振り向く。
「センパイ、戻ってー!」
私の声は聞こえてるはずなのに……。
センパイは視線を落とし、そのまま歩いて学校を出た。
「……センパイ……」
「……生徒会長どうしちゃったんだろう……」
奈々ちゃんが驚いたように言った。
「……」
センパイ……。
どうして……。
聞こえてたはずなのに……。
