「……」 私は図書室の窓から外を見た。 帰って行くセンパイの後ろ姿……。 センパイ……どうしちゃったの? 「あれ?ヒサ一人?」 図書室の隣の生徒会室から、奈々ちゃんが顔を出し、声をかけてきた。 「……うん」 「生徒会長は?」 奈々ちゃんは生徒会室から出て、一人窓の外を見つめる私に近づいて来た。 「今、帰っちゃた……」 そう言った私の視線の先には、大イチョウの下を通り過ぎるセンパイの姿があった。