この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。




図書室へ行くと、窓から入る夕焼けに照らされたセンパイが、いつもの席で眠っていた。


舞踏会の後処理があるからと、奈々ちゃんはそのまま生徒会室へ入って行った。





「……」


私はそっとセンパイに近づく。


前にもこんなことあったよね……。


私はセンパイの斜め前の席に座ると、眠っているセンパイを見つめた。






夕日の赤が、センパイの髪に映る。


センパイの髪、案外茶色かったんだ……。



キレイ……。


そっと手を伸ばした。




センパイの寝息が、スースーと聞こえる。


起こしてはいけないと、伸ばした手を止めた。